海月
はじめましてのお客様。
藍rishのカーテンや行灯に使われている生地を染めてくれた、
まり木綿さんのブログより、
ご予約を頂きました。
”海月”
写真の、手の下に敷いているのが、
まり木綿さんの手ぬぐい、「海月」。
濃紺に、ぼんやりと揺れる様に浮かぶ染め模様。
海月とかいて、くらげ。
なんだか不思議♡
ベースの色から、
柄の配置から、
何から何までこだわって。
「ちょっと、柄の位置違うかも。」
「もう少し、こっちよりかも。」
「柄の数、ひとつ減らそうかな。」
はじめましてなのに、
素直に正直に、そうご注文くださるS様。
私はそれがとっても嬉しくって。
「言えない」を「言いたい」に。
だから最後はしっかり思った以上の完成度。
藍rishも大好きなまり木綿さんを、
だいだいだいすきなS様。
まり木綿さんへの愛を、
いーーっぱい語ってくださいました。
一点ものの、手染めのてぬぐい。
人の手で染められたもの。
全てがオリジナルで、
同じものはもう絶対に二度と作ることはできない。
一発勝負・
作り手の温度が伝わるから、感動する。
業種は全然違うけれど、
私の提供している技術と、それは似ているような気がして。
お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、
「海月」ぼ描写の他に、
実は最後の最後にちょこっとだけ付け足したものがあります。
錆び金の破片。
アートが終わって、
S様は首をかしげます。
「うーん、うーん。」
「なんか、なんだかなぁ、
足りないような、これでいいような…
うーん、」
ふたりして「うーん」。
S様はスワロフスキーやスタッズの装飾じゃないんだよなぁ、
和なんだよな、和。
でも海月のアートを壊すほど破壊力のあるパーツなんて乗せられないし、
うーん。うーん。
あ!
ビビ!と思い浮かんだのは、
錆び金の破片。
実はこれはネイルパーツ屋さんにはないもので、
でも私の大好きな愛用品。
ちょっと一回乗せてみてもいいですか?
と許可を得て、
S様にご確認をいただくと…
「そう!!!
そうなの!!
これこれ!!
そっか、この金色を待ってたんだね、
この子。」
それを聞いて、私はもう嬉しくって嬉しくって。
バシっと決まるもの。
ガシっとハマるもの。
最後の、ちょびっとのアクセント。
これが重要なんですよね、
優しすぎず、強すぎず。
甘すぎず、辛すぎず。
はじめましてで、バッチリリンク。
お客様の「これを待ってた」を、
汲み取るのが、私のお仕事。