今年2月に「伝統工芸ネイル」に仲間入りを果たした”和紙ネイル”♪
和紙をネイルに埋め込むということ自体はこれまでもネイル業界の中で流通していた技法ではありましたが、
藍rishではその「埋め込み方法」と「和紙の魅せ方」にこだわって作品を制作しています(*^^*)
和紙ならではの質感を利用して
繊維が織り交ざって1枚の形を成す和紙。
薄く繊細で、ふわりと空気に溶けそうで、かと思いきやとても丈夫。
職人の手作業で作られる「手漉き和紙」の特徴を存分に活かし、
ネイルに取り入れたいと考えました。
縒(よ)って、千切って、重ねて、透かせる。
普通の洋紙では不可能な、
和紙だからこそ表現できるニュアンス。
そして職人の技術により薄く漉かれた和紙だからこそ、
爪の上に乗せても気にならない厚みでアートとしてお客様にご提供することができるのです。
今回、”和紙ネイル”を伝統工芸ネイルとして新しく迎え入れるために、
愛知県豊田市の小原和紙さんにご協力を頂き、
実際に和紙漉きを体験させていただくことができました(*^^*)
下の動画はその時撮影したものです、ぜひご覧くださいませ♪
今回「和紙の特性を活かしたアート」を作るため、
小原和紙さんで実際に使われている、和紙でお花を形作るための特殊な技法を伝授していただき、
このような作品を生み出すに至りました。
小原和紙として何百年前から愛されてきた技法。
とても簡単な技法であるのに、その奥行きと繊細さには目を奪われます。
「和紙」が生まれるまで
和紙は「楮(こうぞ)」という植物を乾燥させ、
蒸し、川を剥ぎ、煮溶かし、チリを取り、
木槌で叩いて叩解し、
水で漉いて乾燥させることで、ようやく1枚の和紙が出来上がります。
手間と時間と、そして愛情をたっぷりかけて作られる和紙。
そうして出来上がった和紙は、薄くても耐久性があり、
色鮮やかで美しく、どこか儚いおぼろげな表情を魅せてくれます。
人が自然と共存しようとした証
前にも綴りましたが、
漆は木の樹液から、螺鈿は貝殻の内側を使用し、
そして和紙は植物から作られていて。
それは遥か昔遠くの私たちのご先祖様たちが、
自然の恵みや有り難み、そして突如襲い来る自然の脅威も全てひっくるめて、
自然と共存しようとした証が刻み込まれているのだと思います。
自然に守られながら自然を守り、
人も自然の一部として、同じ地球を大切にして生きてきた証なのだと。
約1年前に熊本の震災を受けて制作したチャリティーネイル企画のための作品。
ああ全ては繋がっているんだなと、今となってはあの時どうしてあの作品を作ることができたのか、その真髄が身に沁みて理解できるような気がします。
藍rishの根底にあるもの、精神。
全てはこの大地に繋がっている。
タイトルだけで「和紙ネイル」と謳って終わりならそれまでだけど、
そこに潜む本当の精神や想いは、
伝わる人にだけ伝わればそれで十分だと思っています。
見た目の華やかさや美しさだけでない、
そこに宿るたくさんの人の想いを乗せた作品たち。
「過去を未来へ繋ぐ足がかり」になれば。
そう願っています。