ようやくブログにUPする決意が決まりました。
漆ネイルの公表の時もそうだったのですが、
なかなか勇気がいるんです。
この伝統工芸ネイルを世に出すということそのものが。
何せビビりなもので。笑
ゆっくり落ち着いて慌てずいきます。笑
”伝統工芸ネイル -螺鈿彩-”
まずはお客様のご紹介から。
もうすぐご結婚式を迎えるというS様のブライダルネイル。
記憶に残る1日を彩るお手伝いをさせていただけるなんて本当に光栄です。
ご結婚式に着られる和装がなんと深い青色の色打掛…!
お写真を拝見させて頂き、感じました。
「あ、これはもう螺鈿彩(raden-sai)だ」と。
「まだ未公開なんです」と、
職人さんから頂いた螺鈿彩を取り出してお見せしたところ、
「はああ!もう、これ!これで!」と、
お任せオーダーを頂いたことが、藍rishでの初螺鈿彩の活躍の場となったのでした。
「愛理さんに紹介したい方がいるの」
ことの始まりはかれこれ半年以上前。
漆ネイルをひっそり開始していた頃、お友達のSさんからそんなお声がけを頂きました。
「以前螺鈿でスマホケースを作って頂いた職人さんなんだけどね、
人もよくて、何より螺鈿が本当に美しくて。
愛理さんのネイルに取り込んだらどんなにいいだろうって。」
思い立ったらすぐ行動に移すタイプの衝動派。
「よしやりましょう」と早速職人さんにアポ取り。
Sさんも一緒に、二人で京都の職人さんのもとへ。
これがネイルアート×螺鈿彩の、一番最初の幕開けとなりました。
お会いする、作品を拝見させていただく、感動する。
ひたすら叫んでいたのを覚えています。
「ギャアああああ綺麗すぎる!!!!」って。笑
こちらの職人さん、実はとっても多才な方で、
これまでの人生の中で様々な経歴を積み、そして今はご自宅でひっそりと螺鈿職人として活動をされているのだとか。
螺鈿を使用した絵画作品が本当に素晴らしくて、無理を言って藍rishのサロンにも数点置かせて頂いています。
何度も京都へ通い、通い、通いつめ、←迷惑!笑
私が藍rishに捧ぐ精神や、今後の展望、
そして職人さんの技術を爪に乗せて、もっとたくさんの人に知っていただきたい、
日本に生まれた者として、古くから語り継がれてきたその伝統を絶やしたくはないのだということを、
熱く一方的に語りかける。←迷惑!!笑
だけどそんな押し付けがましい私の申し出に、
「そんな風に作品を大切に想ってもらえて嬉しいです」と、
今回一緒にお仕事をするということをご決断くださいました。
自分の言った言葉を曲げてはいけない。
何があっても自分の使命を全うし、職人さんたちの想いをたくさんの人に伝えるんだ。
そんな覚悟が決まった瞬間でもありました。
いつも打ち合わせをする時は
職人さんと、その娘さんのF様も一緒に。
脱線しながらも楽しくお話しをさせて頂いています。
F様はとってもお父様想いで、
「父の想いを正確に、間違って伝わることのないように、どうかよろしくお願い致します」と、
そう何度もおっしゃって下さいました。
父の努力をたくさんの人に認めてもらいたい、
そういう想いは痛いほど分かるつもりでいます。
だからこそずるいことや卑怯なことは絶対にしちゃいけないって。
職人さんの想いをまるっとそのままお伝えしないといけないって。
そうしてたくさんの想いを乗せた作品たちは
幸せそうな顔でお客様のお爪に寄り添います。
お客様の色打掛に合わせて、
深い藍色の螺鈿彩に、金箔と生漆を添えて。
深い朱色を覗かせて、表情にメリハリを与えます。
螺鈿彩と金箔、生漆と、伝統工芸ネイルのフルコース。
角度によって見せる表情が変わるのには、
制作工程の技法にその秘密が隠れています。
従来のただ切って貼るだけ、というものではなく
ネイルアートと掛け合わせる中で、実際に伝統工芸を学ばなければ実現し得なかったような技法を用いています。
そうすることで螺鈿や漆を美しく魅せること以外にも、
その魅力を最大限に引き出すための「研ぎ」技法も用いています。
制作している私もなんだか、
ネイルをやってるんだかなんだかわからなくなって来ることもしばしば。笑
お客様方にも「そんな風に使うの?!」と驚かれます。
「安心してください、最後にトップジェルを塗れば美しく仕上がります」とお伝えしながら。
いつものお客様ネイルの時にも思うこと。
そしてお客様にもお伝えしていること。
私は自分の作品に対しても「うわあああ綺麗!」と賞賛しますが、
それは私自身の技術を自画自賛しているわけではありません。
お客様の中にある美しさを、私はただ受信しているだけ。
それをアートとして書き換えているだけのこと。
だから美しいのはその作品を私に作らせてくれるお客様自身であるということ。
そして伝統工芸ネイルには、そこに「職人さんの想い」が乗ります。
お客様の持っている言葉には変換できない魅力と、
それを再現するにふさわしい伝統的な技術。
それが伝統工芸ネイルです。
だから、語弊を恐れずに言うと、私じゃなくてもいいと思っています。
「知りたい」「取り入れたい」「お客様にご提供したい」
そう思って下さるネイリスト様たちに知って頂くことで、
その先にいる私の知らないこの世界のどこかにいるお客様にも、伝統工芸ネイルの魅力を知って頂くことができるなら、
私は間違うことなく職人さんの想いをお伝えする。
それだけなのかなって。
前に滝行の記事にもUPした上の作品は、
私の爪に施した螺鈿彩です。
自然から生まれた芸術だから、
自然と共に愛でることが出来て本当によかった。
もうかなり伸びてきてしまっていますが、オフしたくないです( ; ; )笑
藍rishの名物、「妖怪爪剥がしさん(お客様)笑」のお気持ちが痛いほどわかります。笑
これは剥がして取っておきたいほど美しいです。
これだけ記事にかき上げても足りない。
もっともっと職人さんのこと、お客様にご提供する時のこと、そして伝統工芸が途絶えてしまわぬよう、今の私にもできる小さな行動。
全部全部もっと書きたい。
ただいつもあまりにもブログが長すぎて「長いわ!笑」とご指摘を頂くので( ; ; )笑
また作品と共に小出しに綴っていきます。
もうすでに螺鈿彩をお試しくださったお客様方、
本当にありがとうございます。
螺鈿職人さんにも皆様のお爪に乗せた螺鈿彩の写真を送ったり、お客様たちの喜ぶお声をお伝えしています。
「喜んでもらえたならよかった!」と、職人さんも満面の笑顔で喜んでくださっています( ; ; )
嬉しいな。
私がやりたいことってこういうこと。
どうやら誰かと誰かを繋ぐ、そんな星の元に生まれたみたい。
私は一等星じゃなくていい。
誰かと誰かを繋いで、その先に見える美しい星座のようなものを見て、喜んでくれる人がいてくれたら、心から幸せって言える。
今はそのための足がかりを、なんとか掴んでは踏ん張っている状態だけれど、
自分にできることを精一杯やらせていただきます。
本当にありがとうございます、藍rishは幸せなネイルサロンです。
螺鈿彩の公式な場でのお披露目は
12月5、6日の台湾でのクラスルームが初の舞台として決定致しました。
今年に入ってから3度目の台湾。
海を渡って、しっかりとお伝えしてきますね。
なにがなんだか長すぎてよくわからなくなってきました。笑
でも伝えたい想いは伝わる人には伝わるものだと思うから。そう信じて。
最後までお読みくださってありがとうございました(*^^*)